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2014/3/09:桜と台湾と日本と……

台湾南部、台南市に日本人が建設したダムがある。烏山頭(うざんとう)ダムと呼ばれるダムは水源の確保が厳しかった嘉南平原に水をもたらし、後の台湾農業発展に多大なる貢献を果たしたダムである。(建設当時は東洋最大のダムと言われていた)その建設に従事した日本人技師、八田與一氏が宿舎を構えていたところに今は八田與一記念館がある。そこに日本から送られた桜、200本が植樹される式典が執り行われたのである。この桜は台湾の温暖な気候でも育つように台湾の桜を台木に日本の河津桜を接ぎ木したもので、今も順調に育っているようだ。何故、日本の桜が台湾で植樹されることになったか。それは先の大震災に起因している。

2011年3月11日。日本は未曾有の大震災により窮地に立たされていた。その日本に救いの手を差し伸べてくれたのが台湾である。およそ200億円ともいわれる支援を受け、その感謝の意を伝えるためにと桜を日本とゆかりのある台湾の地に植えることになったのだ。

かつて台湾を襲った大地震(1999年9月21日)の際、日本は発生当日の夜に国際消防救助隊(International Rescue Team of Japan Fire-Service、IRT-JF)を派遣しいち早く救援活動を行なっていた。台湾の人々はそのことをずっと忘れることは無かった。3.11発生後には特別番組を放送し、李登輝元総統やジュディ・オング、ビビアン・スーなどの日本と関わりの深い人物が日本への募金を呼びかけていた。

日本と台湾。正式な繋がりはなくとも、こういった持ちつ持たれつの関係が今も続いている。植樹された桜は絆の桜と名づけられ、烏山頭ダムを台湾一の桜の名所にするべく、今も天高く伸び続けている。

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