2013東京モーターショー特集!~クルマノミライ~

2013年11月30日(土)東京ビッグサイト

2年に一度のクルマの祭典「東京モーターショー」(以下、MS)。今年は43回目の開催。2年前の第42回を上回る来場者数を記録し無事に終了。今回はS氏と共に注目したクルマやバイクを振り返る。

消え去ってしまったJapanese Sports

ホンダ・NSX。ホンダがF1を撤退した直後に発表されたクルマで、伝説のF1ドライバー、アイルトン・セナも開発に協力していた。ただ、レース用のホモロゲを取るために開発された車両ではないので本格的にレース参戦するのは後になってからである。写真はル・マン24hに参戦しクラス優勝を果たしたマシン。

日本を代表する3メーカー、トヨタ・ホンダ・日産はそれぞれ市販車の世界でもレースの世界でも凌ぎを削っていた。それぞれがそのメーカーの顔とも言えるフラッグシップスポーツを開発し戦わせていた。1989年に登場した日産・スカイラインGT-R(BNR32~BNR34)を皮切りに、ホンダ・NSX-R(NA1、NA2)、トヨタ・スープラ(JZA70、JZA80)がそれに当たる。国内外のモータースポーツシーンで活躍し、日本のスポーツカー技術を世界に知らしめたわけではあるが、世間の風当たりは急激に冷たくなり、いつしかこの3モデルは姿を消してしまったのである。

新世代スポーツの誕生


日産・GT-R。2007年に登場してから毎年のように改良を重ね、現在では600馬力に迫るパワーを発揮している。写真はNISMOが開発したコンプリートカー。

2007年12月。先代BNR34の生産中止から5年の歳月を経てついにJapanese Sports復権の狼煙が上がった。それが日産・GT-Rだ。それまでのスカイラインの枠からはずれ独自の路線を歩み始めたGT-Rは、それまではなかった左ハンドルも設定され世界に打って出たのである。今回のモーターショーで展示された(写真)モデルは日産のモータースポーツ部門を請け負うNISMOがコンプリートカーとして販売をするGT-R・NISMOである。国内最高峰のGTレースSUPER GTで得たノウハウを市販車にフィードバックした意欲作であり、専用のフルエアロも富士スピードウェイのレースで実際に装着しているエアロを模している。

日産・GT-Rの販売開始と同時に業界では他の2社がかつて販売していたNSXとスープラが復活するという情報が流れていた。実際、ホンダはNSXの後継としてアキュラ(ホンダの北米向け高級ブランド)HSVを開発していたが2008年のリーマンショックにより開発は白紙に。(後にSUPER GTにHSV-010GTとして登場し13年まで戦った) トヨタも今年のデトロイトショーでデザインスタディモデルのFT-1を発表。パワートレインは直6ツインターボでFR方式とされ、事実上のスープラ後継と目されている。

待望の第三世代”NSX”


東京モーターショー2013で発表されたNSX Concept。すでに各国のモーターショーで公開されており、注目を浴びている。実は数種類のコンセプトカーが用意されており細部が異なっていることはあまり知られていない。

HSVの開発白紙から5年の月日が流れた2013年8月。アメリカ合衆国オハイオ州で開催されていたインディカーシリーズで新型NSXのデモランが行なわれ、正式に次期NSX復活が決定された。エンジンは横置きで前後輪の間に置かれるいわゆるミドシップ方式だった先代に対して、縦置きに改められ、エンジンはV6のツインターボで潤滑方式はドライサンプ。燃料供給方式はポート噴射と直噴の併用に。さらにハイブリッドシステムも投入され、後輪はエンジンで、前輪はモーターで駆動するSH-AWDシステムを採用する。生産はアメリカの工場で行なわれる。すでに今年のSUPER GTにこのマシンで参戦することが決定されており、テストも進められている。

エコとスポーツの両立

長らく、エコとスポーツの両立は難しいといわれていた。スポーツカーの象徴でもある圧倒的なパワーを搾り出すためには大排気量とそれに見合った燃料が多く必要だったからだ。しかし、日産・GT-Rはガソリンエンジン車でありながら燃費はリッター8km前後と優秀である。それでいながら560馬力近くを出力し、スポーツ走行を存分に行なうことが可能だ。結論を言えばエコとスポーツは両立できる。プリウスや最近の軽自動車のようにリッター30kmを出すことは難しいだろうが、今のスポーツカーの燃費を考えると一昔前に比べてだいぶエコである。ちなみにS氏のインプも高速ではリッター11km前後走る。かつて、スポーツカーといえばガソリンを垂れ流しているイメージが少なからずあった。リッター3km、4kmなんて当たり前だった。しかし、GT-Rを筆頭にエコとスポーツは上手い具合に融合し始めていると思う。ガソリンと電気の組み合わせだったり、ディーゼルだったり、選択肢が広がることは未来の可能性を大いに広げる。それこそが子供に夢と希望を与えられる存在だと思わせる2台であった。

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